天国の兄思い…生まれて初めて切った髪を病気の子へ 6歳男児の「ヘアドネーション」 (20/04/09
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- Опубликовано: 25 янв 2025
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この春、6歳を迎えたある男の子が、生まれて初めて髪を切りました。6歳になる日まで髪を伸ばし続けたのには、ある理由がありました。
少し緊張した様子で美容室の鏡の前に座る、長い髪の男の子、小野田青(あお)くん。この日は、6歳の誕生日です。
6歳を迎える日に、この長い髪を切るのにはある理由が…
2012年に生まれた、青くんの兄・小野田禄(ろく)くん。
生後8カ月で、当時世界で30ほどしか症例がなかった難病を患いました。
「肝ラブドイド腫瘍っていうがんで、治療の方法も確立されていないような病気」(父・小野田充弘さん)
抗がん剤治療が始まると、薬の副作用で禄くんの髪は抜けていきました。
それでも、笑顔を絶やさなかった禄くん。2013年、1歳2カ月で短い生涯を終えました。
失意の両親でしたが、再び子宝に恵まれます。
2014年に次男・青くん、2018年に三男・春(はる)くんが生まれました。
「禄がいなくなった自分たちの寂しさを、すべて埋めてくれる存在」(充弘さん)
青くんが1歳を迎えたころ、父・充弘さんは、禄くんの治療中に医師から言われたある言葉を思い出しました。
「先生から『禄ちゃん、カツラはいりますかね』みたいな話を聞いて。カツラがあることで、前向きになれるよって聞いて。『うちはいらないですよ』と何の気なしに言ってたんですけど」(充弘さん)
『全力で生きた禄くんのように、病気と闘う子どもたちを応援したい』
そう考え、医療用のカツラのために髪を寄付する「ヘアドネーション」を思い立ちました。
ヘアドネーションとは、髪の毛の寄付を募ってカツラを作り、病気などで髪の毛が抜けてしまった子どもたちに届ける活動です。
日本では、いくつかのNPO法人が行っていて、カツラは無償で提供されます。
両親は禄くんの名前にちなみ、6歳まで髪を伸ばそうと決意します。
「青くん、自分の髪の毛どう?」(記者)
「きにいってる」(青くん)
「どういうところが?」(記者)
「くるくるまきのところかな」(青くん)
「青くんの6歳の誕生日に、今まで一緒に伸ばしてきた髪をチョキンって切って、どうすると思う?」(充弘さん)
「わからない」(青くん)
「青がチョキンとしたら、お兄ちゃんの禄ちゃんみたいに、病気と闘って頑張る子の役に立てるよ。すごくない?」(充弘さん)
「うん」(青くん)
青くんのヘアドネーションを思い立った3年ほど前から、母・千鶴さんも一緒に髪を伸ばし続けてきました。
「髪はずっと長かったので、青が寄付するなら、私も一緒にやろうかなって」(母・千鶴さん)
青くんの6歳の誕生日。お母さんと、生まれて初めて髪を切ります。
「青くん何歳だっけ?」(美容師)
「6歳」(青くん)
「おめでとう。ドキドキする?」(美容師)
「うん」(青くん)
そして、いよいよその時が…
「切るよ」(千鶴さん)
千鶴さんの目から涙がこぼれました。
「ハサミを入れた瞬間、こみ上げてきてしまって。この髪が誰かのためになるのかなと思うとうれしいです」(千鶴さん)
青くんに続き、千鶴さんも髪を切りました。
「ママもかみきって、おいらうれしい」(青くん)
「なんでうれしい?」(千鶴さん)
「ママもきってくれてね、だいすきだから」(青くん)
家族の思いがたくさん詰まった長い髪。
「ヘアドネーション」を受け付けているNPO法人に寄付し、髪を失った子どもたちのためのカツラへと変わります。
「普通に髪を切るのと全然違って、本当に伝わるものがあるんですよ、手に。家族のみんな、いろいろ思いながら今まで育ててきたつもりなので、また新しいスタートが切れるかなっていう感じがしました」(充弘さん)
ヘアドネーションの実施団体のNPO法人「ジャーダック」によりますと、1人分の医療用カツラを作るためには、50人程の髪の毛が必要だということです。
しかし、現在、新型コロナウイルスの影響で感染拡大防止のため業務を縮小しているということで、髪の寄付の受け付けを一時中止しているといいます。
この団体に寄付を考えていた、青くんの父・充弘さんは「終息する日を家族一緒に、前向きな気持ちで待ちたい」と話しました。
今月6日、長男・禄くんの命日に、次男・青くんは、小学校の入学式を迎えたということです。
充弘さんから写真が届きました。
充弘さんは「入学を迎える日が、禄の命日であることに縁を感じる」と話していました。
(4月9日 15:40~放送 メ~テレ『アップ』より)
#ヘアドネーション